メニュー

ハイキュー!!続いてたまるか!

アップする順番が逆転してしまいましたが、これが初めて書いた影日の小説です。色々と拙すぎて恐縮です…(汗)。

  • 3
  • 0
  • 0

1ページへ 夕焼けの橙色の空を映しながら、俺たちを乗せたバスは学校に向かっていた。
 練習試合を終えて、車内は心地よい揺れとだるさに包まれていた。つまり、大半の部員が寝てるってことだ。
 俺の隣に座るヤツもそうだった。
 そして、そのおかげで、俺は眠れずにいる。

「う…ん」 
 かすかに開いた口から漏れる、寝息とも寝言ともつかない声。
 俺の肩に頭を乗っけて、日向は眠りこけていた。何の断りもなく人の肩を枕にしやがってこのボゲェ。
 いや、断ればいいってもんでもない。本当なら速攻で引っぺがして起こす。重くて俺が寝れねえだろ。
 日向の席は窓側だ。夕暮れの光が、日向の髪を一層眩しく照らし出していた。
 …柔らかそうな髪してんな、コイツ。
 しかも、日向のくせっ毛が俺の頬をくすぐる。
 てか、眩しいし重いし最悪だろ。いい加減起きろバカヤロー。
 そう思いながら、何故か俺は日向をどかそうとしなかった。
 どうしてかわからない。
 でも悪くなかった。何の緊張も構えもなしに、体を預けてくる日向の重みとあったたかさが。
 …俺も、乗っけてみるか。


 おれ、日向翔陽。大好きなバレーの練習試合の帰り。
 うたた寝して、気づいたら信じられないことになってました。
 …王様、寝てる。
 いや、帰りのバスで居眠りは皆やることだし。そもそも王様ってのは影山っていうとんでもなく俺様で、時々バカなのかすごいのかわからない、おれたちのセッターなんだけど。
 その影山が寝ている。ビックリなのは、体勢だ。
 いつの間にか、おれは隣の影山にもたれて寝てたらしい。
 影山なら「邪魔だ」とか言ってキレそうなのにな。おれを肩に乗っけたまま、本人も眠ってる。
 おれの方に、体をあずけて。
 つまり、今おれの頭は影山の肩と頭にサンドイッチされてる。
 目ぇ覚めちゃった。もう起きたいんだけど。
 おれはそのままでいた。
 先にもたれかかって悪いから?起こしちゃ可哀想だから?
 それはないか。コイツなら可哀想より、怒らせて怖い方だろ。
 …でもおれ、影山怖くないし。
 つまるところ、どうしてかわからない。
 相手校を出発した時はまだ明るかった空も、もう群青色になってる。
 おれは少しだけ身じろきして、もたれかかってくる影山の顔を覗きこんだ。
 おれとは逆の、まっすぐな黒い髪。
 いつもの目つきの悪さも今は閉じられて、静かな寝息を立てるだけだった。
 時々、伏せた睫毛がわずかに動く。
 どっちが支えてんのかよくわからない状態になってるけど、重なった所から、影山の温もりが伝わってきて。
 …ちょっと、いいかも。
 いや、今、何考えた? おれ。
 ちょっとって。
「何が!?」
 おれは自分の思考回路にあわてふためいて、思わずガバッと起きてしまった。
 その勢いで、支えをなくした影山が盛大にバランスを崩す。ずっこける寸前で、何とか保った。
「ひ…日向、てめえ何してんだ!」
 さっきまでの穏やかな寝顔が一瞬で、いつものうるさい影山に戻る。
「ご、ごめん影山」
 おれも元に戻らなきゃ。けど、元って何だろう。
 普通ぶろうとする程、何故かおれの顔は熱くなった。
 何これ、恥ずかしい。
「日向…?」 
 胡散臭そうに影山がこっちを見る。
「う、うるさいバカ! 影山が寝るからだろっ!?」
 おれの苦しまぎれの言葉に、
「は? それはこっちの台詞だろうが! お前が先に…」
 言いかけた影山が、途中で何か思い出したように、急に静かになった。
 そして、どうしてか顔が赤くなっていく影山。
 怒りと戸惑いが入り交じったような、複雑な顔だった。おれ自身がそう感じてるから、そう見えたのかも知れない。
 え?
 何でおれたち、こんなことになってんの?

「うるさいよ?、お二人さん。イチャつくのもほどほどにしてくれる?」
 前の席にいた月島が、とんでもないツッコミを入れてきた。
『イチャついてねーよ!!』
 おれと影山の台詞が被る。
「わ?、息もピッタリ。さっすがコンビネーションってやつ? 肩を寄せ合って仲睦まじく寝てたよね?」
 月島のやつ、絶対面白いもん見たと思ってるな。勝ち誇った感さえある。
「てめえ!」
 影山が赤面したまま食い下がろうとすると、
「お前ら、うっせーぞ! 目ぇ覚めちまっただろ! 先輩を寝かせろ!」
 向かい側の列に座っていた田中さんまで乱入してきた。
「何か楽しそうだけど、もう学校着くからさ」
 その手前にいた菅原さんが、座ったまま伸びをした。
「続きは後にしてくれよ」 
「楽しくないです! てか、続きもありませんよ!」
 すかさず答えた影山の一言に、おれはカチンときた。
「お前が言うなよ! こっちこそ、続いてたまるかって!」
「何だとぉ!?」
 おれも影山も、何を否定したいのか混乱してる、多分。
 でも今のは、どうしてかムショーにムカついた。
 さっきからわからないことだらけだけど、そうだよ、こんなのが続いてたまるか。続くわけないんだからな。
 という気持ちで、おれはもう一度、影山を見た。
 仕方なく口を閉じた、少し頬が赤いままの影山を。

  • 3

もっと読みたい!オススメ作品