メニュー

リクエスト小説 『ホタルの橋』リクエスト小説 『ホタルの橋』 第3夜

  • 4
  • 1
  • 0

1ページへ 背中はふわふわしているのに、首を動かそうとしたが動かない。
 そしてなぜか身体が重い。
 頭は痛むものの、そう酷いものではなかった。
 だが顔を顰めてしまうほどに酒臭い。

 篤は常木が連れて行ってくれた店で飲んでいたことを思い出して、ぱっと目を覚ました。
 飛び起きれなかったのは、篤の身体に巻き付くようにして常木が寝ていたからだ。
 すぐ近くにある寝顔に心臓がバクバクと激しく動く。

(え、え? な、なんで…店で飲んでいたはずじゃ……)
 
 店で飲んでいたことを一つずつ思い出していく内に、『暫くすれば大丈夫だから』と言った後の記憶がないことに気が付く。
 もしかしなくとも、支払いを持ってくれた常木が篤をここまで連れ帰って来てくれたのだろう。
 常木の顔を間近にして、篤はごくりと生唾を飲み込んだ。
 触れてしまいそうな鼻先の、ほんの数センチ先に常木の唇がある。そこから視線を外せなかった。
 体内へと血液を激しく送る心臓の音がやけにうるさい。常木を起こしてしまうんじゃないのかというほどだ。

 手に汗を握り締めながら、篤は少し顔を傾けた。
 鼻先が触れ、常木の熱い吐息が自分の唇に吹きかけられる。
 同じ空気を吸い込みながら、起こさないように少しずつ少しずつ近づく。
 篤は自分の吐く息が常木のそれに触れて起こしてしまわないように息を殺した。
 そして唇のほんの少しが常木のそれに触れて、ぱっと身体を離す。
 常木の様子を伺うが起きた気配はない。

 篤は、もう一度だけ、もう一度だけだからと言い聞かせて顔を近づけた。
 今度は常木の唇に自分それを押し当てる。
 常木の唇は想像していた以上に熱かった。お酒のせいかもしれない。いや。もしかしたら自分の体温かもしれなかった。
 寝ている常木のキスしたその唇を見ていられなくて、篤は無理やり寝返りを打つ。

 巻き付く腕を離してみたが元の場所に戻るだけでなく、逆にぎゅうぎゅうときつく抱き付いてくる。
 背中に常木の体温を感じながら篤は抵抗することを諦めて、寝ている常木のしたいようにさせることにした。
 苦しいことに変わりはないのだが、実の所、常木にそうされることが嬉しかったのだ。
 前に回された常木の手に触れてみる。
 男らしい節くれだった常木の手の甲に手を重ねてみると、PCやスマホばかりいじっている篤と違い、厚みがありしっかりとしていて大きい。

 指を絡めるようにして握ってみた篤は、今度は手のひらを合わせて見た。
 やはり自分のそれよりは大きい。
 身長や身体つきだけでなく手まで男らしくて、男としては並な自分に劣等感を抱くと共に羨ましいと憧れている。
 手のひらを合わせるだけでは終われずに、今度は手のひらを密着させて指を絡めるようにして握り締める。
 まるで恋人同士がするような握り方をしている内にドキドキしてくる。
 別れた彼女と手を握り合っていた時、胸の高鳴りなど無かった。
 ただ握られているとしか思えなかった。

 でも今、自分が常木の手を握ってみて感じた胸の高鳴りを彼女も感じていたのかと思うと、素っ気なくあしらってしまった事を悪く思った。
 ぎゅ、ぎゅ…と握って、常木の手を胸に抱きしめる。
 そうしている内に、篤の心はだんだんと常木のことをもっと知りたい。近づきたいと思うようになっていることに気が付いた。

 胸に抱いていた常木の指先に、ちゅっとキスを一つ落とすと、突然、篤にされるがままになっていた手が意志をもって握り返してきた。
 ぎゅううっと力強く握りこまれて焦る。
 この場をどう取り繕えばいいのか解らず篤は、全身が冷や汗でぐっしょりとなる。
 そんな篤などお構いなしに、常木はどうしてか篤を背中から抱きしめてきた。
 手を握りこまれ、あげく指先にキスする男なんて気持ち悪くて突き飛ばすはずなのに、常木はそうしなかった。それどころか首筋に顔までうずめてくる。
 
「とっ智也!起きてたのかよ!!?」
「起きてたよ」
「えぇっ!いつから?!」
「いつって、もともと寝てなかったし。っていうか、篤が隣にいるのに寝れるはずないだろ」
「もももしかして……き…キ」

 あわあわとまともに上手く喋れない篤の代わりに常木が、

「篤が俺にキスしたこと聞きたいのか?」

(あぁ、帰りたい。ここから消えてなくなりたい)と思っている篤に常木が止めを刺してくれた。

「今どき小学生でもあんなキスしないだろ」

 常木がくすくすと笑っているのを背中越しに感じながら、もういっそ殺してくれなんて考えていたら、

「なぁ、ずっと俺の手でなにしてんの?手フェチ?」
「ちっ違う!これはそうじゃなくて、違うんだ!」

 ぱっと手を離すと、常木が篤の身体を無理やりに振り向かせた。
 恥ずかしすぎて顔なんてまともに見られたくないのに、常木は篤の顔を覗いてくる。
 コツンっと額を合わせてくる常木の行動に驚く間もない内に、「キスってこうだろ?」と呟いて篤の唇を深く覆ってきた。

 まさかキスされるとは思っていなかった無防備な唇は、簡単に常木の舌の侵入を許してしまった。
 どうして、なんていう思考を奪い去って考えなくさせるほどに、口腔内を余すところなく舐めてなぞり常木は舌を絡ませてくる。

「んっんっっ…ぁっ……は…あぁ…んんっ」

 舌の表面も裏も、きっと触れていないところなんてない。
 甘噛みされ、じゅるっと音を立てて舌を吸われる。舌先でちろちろとくすぐられている内に、篤の下半身が熱を帯びてきた。
 常木の身体と下半身がこすれたときに自分が勃起していることに気がついた篤は、さっと腰を引いた。 

(恥ずかしい…恥ずかしいけど)

 キスを止められなかった。
 常木からの少し強引なキスが気持ち良い。 
 篤はもぞもぞと足を擦りあわせた。ズボンの前が窮屈で苦しいほどに完全に勃起してしまっている。
 男同士でキスして完勃ちなんて、もう隠しようがない。
 気持ちが悪いと思うどころか、気持ちがいいと思っているのが、その証拠だ。
 引き返せなくなるほどに惹かれ始めてる。

 篤は、そろりと舌を伸ばして自分のそれで常木のものに触れてみた。
 一瞬ぴくりと震えて止まったキスが、一層激しくなる。今までのはまだ序の口だったと言わんばかりに深く重ね合わせてくる。
 常木とのキスと比較すると、自分の触れるだけのキスが本当に幼稚なものに思えた。

(こんなキスしらない。食べられちゃいそ…)

「あ…ぁ、ん……と…や…」 

 名前を呼ぶと常木は切羽詰まったような声で言った。

「悪い、止められない」

 言い終わる前に常木の手が篤のものに触れた。ズボンの上から勃起しているそれを、形を確かめるように撫でた後、下着ごと無理やり取り払ってしまった。

「ちょっ、待っ…!」

 足首を痛いくらいに掴まれて両足を広げられる。痛いくらいに天を仰いで涙の滴まで滲ませているそれを隠そうとする前に、常木の大きな手がぎゅっと抱きしめてきた。
 優しく上下に撫でられると腰が浮いてしまうほどに気持ちがいい。
 自分から常木の首に腕を回してキスをねだった。

「あっあっ…ん、んんっ」
「篤、俺のも触って」

 ズボンのチャックを下ろして下着の中から出した常木のものも硬くそそり立っていた。
 けれど、篤のペニスは常木の手のひらにおさまっているのに、常木のそれは篤の手に余るほど大きくずっしりとして重い。
 包み込んだその太さに手を怯ませると、常木が上から押えてきた。
 そして篤の手を動かした。

「もっと触って…気持ち良くして……そう上手い。気持ちいいよ」
  
 だんだんと手のひらが常木の出した先走りで濡れてくる。上から振ってくる常木の吐息も熱く濡れている。
 自分の愛撫で気持ち良くなってくれているのだと解って、篤はだんだんと激しくした。 
 そうすれば自分のペニスへの愛撫も濃くなるからだ。
 鼓膜を刺激する、くちゅ、くちゅと濡れた音は、キスによるものなのかそれとももっと下から?なんて考えている思考を常木がはぎ取っていく。

「篤。一緒に触って」

 熱くたぎったペニスを擦り付けられたかと思えば、一緒に握らされる。

「熱っ」
「もっと強く握って篤」
「や、…っ」
「ほら、もっと」

 言われるままに握れば、常木が腰を使い始めた。
 常木の張り出した傘が上下に動くたびに、篤の裏筋を擦りカリをひっかける。
 溢れてくる互いの先走りが篤の手のひらの中で混じり合う。
 
「と、もや…いいっ」
「俺も。も、ヤバイ」
「智也っ…俺、イ、きそ」
 
 舌を絡め合わせたキスの合間に、常木が「一緒に」と囁く。
 常木がだんだんと腰を強く押し付けて、尿道口をひっかいてくる。その刺激に先に音を上げたのは篤の方だった。

「そ、れっ、だめっ…イくっあぁっっっ!!!」

 白蜜が腹や胸を濡らしたその後に、常木が「くっ」と息を詰める。
 熱いと思ったら、篤のペニス根元や陰嚢は常木の精液で白く塗らされていた。
 二人分の荒い息が部屋を満たすも、息もととのはない内に常木が篤の足を大きく割り拡げた。
 常木の白濁液が、とろりと伝う。
 陰嚢の裏からその奥へと真っ白な線が描かれる。
 更にぐっと大きく常木に割り拡げられて、

「ヒクついてる。可愛い」

 篤は自分では見ることの出来ない秘めた奥に、常木の視線を感じて逃げようとした。
 けれども強く抑えつけられて動けない。
 
「篤の小さい穴がヒクつく度に俺のが少し入ってく。解る?」

 やはり見られたくない場所を常木が見ているのだと解って、恥ずかしくて身体に力が入る。
 そのせいなのか解らないが肛門をぎゅっと絞めてしまう。
 すると常木は、「もっと俺の飲んで」と言って、指先と一緒に精液を少し押し込んできた。
 けれどもそれはすぐに出て来てしまう。それが臀部に伝い落ちていくのを篤は感じた。

「すっげぇエロい」

 キスよりもペニスを擦り合わせてイってしまったよりも、恥ずかしい。
 自然と涙が込み上げてきて目の前が滲む。
 それを見下ろしていた常木が、力なく横たわる篤のペニスを再び愛撫しだした。

「篤がかわいいのが悪い。イジメる側の気持ち、なんとなくわかった気がした」
「ゃ…やめ…まだイッたばかりで、くるしっ」

 常木の精液が潤滑油の代わりになって、常木の手がぬめるように動く。
 苦しいのに気持ちいい。
 すぐに力を取り戻したペニスに施される愛撫にまた夢中になっていると、あらぬところに違和感を感じた。
 ペニスを擦るのに合わせて体内に何かが入って来ていると思ったら、身体の中を撫でられて驚いた。
 
「いっ…、ゃぁぁっ」

 嫌だと言おうとしたかったのに、唇から零れた言葉は余りに甘い嬌声だった。
 常木の口腔内は、篤のペニスを飲み込み熱く吸い付いてくる。
 すぼめた唇に血管を浮かせた幹をしごかれて腰骨が震える。人の口の中がこんなに気持ちがいいものだとは知らなかった。
 その上、相手が男だから、男の気持ちがいい所を攻めるのなんてお手の物だ。
 亀頭を舐め転がされて先端の小さな口をくすぐられて、常木のフェラチオに夢中になっている内に、最奥が更に拡げられたことに気がついた。
 
「あっ、あっんん!気持ちい……ゆ、指、抜いて……おねが、だ…からっ……あ、やぁ」

 イきたいのに、後ろの異物感に気を取られてしまう。
 頭の中がぐちゃぐちゃになって混乱して訳が分からなくなったとき、体内に埋められた常木の指が、ぐりっと何かに触れた。
 
「ひっああああっっ」

 さっきイったばかりだったのに、常木の口の中にぴゅるっと白蜜を噴き上げてしまった。
 常木はもっとくれと言わんばかりに、ちゅうちゅうと吸い上げると、体内の指はそのままにして、篤の亀頭を手のひらでくりくりと弄り始めた。
 最奥でぬちゅっと音を立てながら常木が指を動かしながら、

「どっちが気持ちがいい?」
「わ、わからな…も、やっ…やぁ」

 止めて欲しくて、甘えた声で嫌だと訴えても、常木には逆効果だったらしい。

「篤、可愛い…もっとイジメたい」

 くりくりと激しく亀頭を撫でまわされて、篤は狂ったように頭を振った。

「やだやだ!も、やめっ苦しいっ!ホントに何か、なにか来るからっ」

「いやだあああぁぁ」と悲鳴を上げると同時に、ぷしゃあぁぁっ…とペニスから精液とは違う、さらさらとした透明な液体を吹きあげた。 

 大人になってお漏らしをしてしまったと、ひっく…っと泣き出してしまった篤に、常木が優しく頬にキスを何度も落としてくる。

「可愛い…本当に堪らないくらい可愛い。これ、おしっこじゃないから」
「え?」
「潮だよ。潮吹きしたんだよ。泣いて嫌がる篤、凄く可愛かった。もっと泣かせたい」

 そう言い終わらない内に、常木が股間を押し付けてくる。
 常木が勃起しているそれを挿れようとしているのだと解って、大きさも長さもそして太さを思い出した篤は焦った。

(あんなの入りっこないっ!)
 
「やっ無理だから」

 圧し掛かってくる大きな身体を押し返していた両手を、頭の上で一纏めにされて拘束される。
 片手でいとも簡単に封じ込められて、同じ男として悔しくなってくるが、今はそれどころじゃない。
 熱い常木の切っ先が、最奥に押し付けられる。
 ぬぐっと押し込まれて、大きなカリが小さかった口を大きく広げさせる。

「篤、締めないで…力抜いて」
「そ、んなの、無っ…理」
「ゆっくり息吐いて」

 言われてゆっくりと息を吐く。けれど引き裂かれるような痛みはなくならない。
 抜いてくれと泣いて頼もうとしたら、常木が篤のペニスをゆるゆると愛撫し始めた。
 篤の気持ちがいい所を的確に愛撫してくる。
 ペニスが勃ち上がり、その気持ち良さにつられて腰が蠢き始めると同時に、篤に合わせるようにして常木も腰を進めてきた。

 見上げれば、常木は玉のような汗を浮かべて苦しそうに顔を歪めている。
 篤はどうしてこんな痛い思いをして、と常木を攻めたかった。
 挿れなくても、さっきのように擦り合わせるだけで、気持ちいいだけでいいじゃないのかと思う。
 奥歯を噛み締めて我慢していたら、常木が優しく頬を触れてきた。
 いつの間にか痛みに耐えて閉じてしまっていた瞼を持ち上げて見上げれば、常木が泣きそうな顔で微笑んでいた。
 泣きたいのはこっちの方だと言おうとしたら、

「全部入った…篤と繋がれた」

 常木が愛おしそうに言った。 
 
「篤。俺、好きみたいだ、篤のこと」

 好きになって良い?なんて聞いてくる瞳に篤は、

「バカ野郎っ!好きって言えっ!俺なんかもうお前のこと好きなんだから!」

 一瞬固まった常木が吹き出して、覆いかぶさって来る。
 ぎゅうっと抱きしめられて窒息しそうになっていると、

「その言い方、男前過ぎて惚れた。ホントもう可愛いしカッコイイ。篤のこともっと知りたいから教えて」
「あっ!」

 ゆっくりと常木が腰を使い前後に動かす。
 だんだんと力強い動きに篤の身体が揺り動かされる。
 腰を強く叩きつけられ最奥を抉られるたびに、篤は声をからすほどに喘がされた。
 
「もぅそんな奥…むりっ…はいらな…いれないれ」
「篤、子供言葉になってる。それも可愛くてたまんない」
「あっ、あぁっ、ひっ…そこやら、こわれちゃ…あぁぁん!!」
「またイっちゃった?でももう赤ちゃんの素は出てないね」

 亀頭の先端を指の腹でぬぐって、指先に着いた体液を常木がぺろりと舐める。
 常木からもたらされる連続的な快感は、篤を苦しめる。 

「も、でな…から…ゆるして……っ!!!」

 許してと言った途端に、もう挿らないだろうと思っていた常木のペニスが更に奥に入り込んできて声にならない悲鳴が迸った。
 零れた涙をぺろりと舌でくすった常木が、「あっくんは、もう俺のものだよ」と耳元で囁いた。

「わかった?」

 こくこくと激しく頷く。もうこの快楽の責め苦から逃れたい一心だった。
 
「本当にわかってる?」
「わ、か…た、智也のものだからっ」

「全部俺のものって証」そう言い終わる前に、首筋と最奥に痛みが走る。
 もうこれ以上挿いらないと思っていたが、常木の切っ先がぐぅっと篤の奥の奥を開き潜り込んできた。
 そして信じられない程の奥で常木の熱を感じた。全てを出し切るように常木が腰を押し付けてくる。
 すべてを出し切った常木が篤に覆いかぶさってきて抱きしめてくる。
 中の物を抜いてほしいのに、篤の体内から出て行ってくれない。

「も、抜いて…?」
「もうちょっとこのままでいさせて」

 すぐに抜きたくない。と常木が汗ばんだ全身で訴えてくる。
 けれども篤は早く出て行ってほしかった。
 時折、まだ少し硬度を持った常木のものが中をかき回すからだ。そのせいでまた感じてしまう。
 
「なにしてんの」
「なにって、俺のっていうマーキングと孕んだらいいなって」
「ばっバカかっ!!早く抜けよっ」

 ったくしょうがないなと常木が身体を起こす。
 ずるりと奥から抜け出るときにも快感が襲い、「んっ」と甘く呻いてしまう。まるで全身がまだ快感の渦の中だ。
 常木が近くに置いてあったティッシュ箱に手を伸ばして引き寄せた。
 自分の物を手早く清めると、今度は篤に手を伸ばして清めてくれる。
 ちゅっと音を立ててキスを落としてくる常木の甘ったるい雰囲気に頬を染めながら見上げると、

「凄く奥に出したから、かき出せないかもな」
「え?何を?」

 笑いながら常木が「俺のセーエキ」と言った。
 ぶわっと全身が熱くなる。
 もちろん快感から来るものではなくて、何とも言えない恥ずかしさからだ。
「風呂に入る!」と宣言して、悲鳴を上げる全身に頑張れと叱咤しながら、ベッドから足を下ろし立ち上がろうとしたが足に力が入らない。
 その場に、がくんと崩れ落ちてしまった。
「大丈夫?」と常木が手を貸してくれる。
 再びベッドに戻された篤に、「タオル持ってくるよ、待ってて」と言って寝室から出て行ってしまった。

 暫くして戻ってきた常木は手に温かなタオルを持っていた。
 それで甲斐甲斐しく隅々まで拭いてくれる。自分で拭けるからと言っても、させては貰えなかった。意外と世話好きな面があるのかもしれない。
 篤の清められた身体を抱きしめて、常木が「風呂は明日入ろう」と横になった。
 常木がまるで抱き枕にするように抱き付いて眠る。苦しいのに、抱き付いて眠る常木の寝顔を見ながら眠るのは幸せな気分だった。

  • 4

もっと読みたい!オススメ作品