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オリジナル本当のキモチ

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1ページへ―――――隆志…兄ちゃんッ…!…も…う、やめて…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……痛いっ…痛い痛い痛い…怖いよ…何で…何で…っ、こんなことするの?


―――――俺は、兄ちゃんのこと好きだよ…。でもこういうことする時の兄ちゃんは…大っ嫌い…!触らないで…近寄らないで、これ以上…汚さないで…!



弟の祐貴は兄の隆志が怖くてたまらなかった。
実の兄弟で同じ家に住んでいて、両親がいて…何もなければ幸せな家庭のはずなのに。
避け続けても、避け続けても止まることのない兄の性行為はエスカレートの一途をたどっていた。



―――――苦しい、苦しい苦しい苦しい…放して…!こんなの…愛情でも何でもない…。俺は、隆志兄ちゃんと…ただ、ずっと仲良く暮らしていきたいだけ…。普通の兄弟に戻りたい。ねぇ、聞いてるの?隆志兄ちゃん…!!




  

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……夜。
扉をそっと開ける音に祐貴はハッとした。


「祐貴…寝たのか?」

「……」


…来た。
心臓が早鐘のように打つ。
怖い、逃げたい、こっちに来ないで。
隆志の問いかけに返事をせず、あえて眠ったかの様に装うが、恐怖で震える肩を抑えることが出来なかった。


「肩震えてるぞ。…そんなに俺のことが怖い?ねぇ…俺さ、祐貴とヤりたい…」

―――――ちょっと待って…!
そう言おうと身体を起こした瞬間…。


「痛っ…!」


隆志の手が首へと回り、絞め上げながらベッドに押し倒された。


「いッ…く…苦しい…よ、隆志…兄…ちゃん…嫌ッ…」


絞められた間から入るわずかな酸素で力なく反論する。
苦しさで朦朧とする意識の中、見えたのは口の端を思いっきり歪ませ、興奮した表情の隆志の姿だった。


「嫌とかいう割りにはすっげー気持ちよさそうな顔してる。祐貴はこれくらい酷くしてやった方が嬉しいんだろ?…大丈夫だって。安心しろ、優しく抱いてやるから」


夜毎、夜這いの様に祐貴の部屋を訪れては、まるで自分の性欲を満たすだけの都合のいい道具として遣い、捨てる。
“俺たち兄弟なのに…”
そんな言葉は今の隆志に言っても無駄だった。
どんなに祐貴の心が痛もうと、どんなに泣きじゃくり止めてと訴えかけても隆志の耳には届かない。


「ぐっ…苦し…兄ちゃん…ッ、はぁ…」

「なに泣いてるの?そうやって俺を煽るの反則だろ…」

「違…うよ…。離して…も、嫌だ…よ…」


嗚咽混じりの声で訴えれば、以外にも簡単に手を離してくれた。
一気に酸素が入り込み、呼吸が整わない身体を必死に起こし隆志の顔を覗き込むと、何を勘違いしたのか、そのまま後頭部を掴まれ強引にキスへと持っていかれた。
痛みを受け入れ続けた身体には、蕩けるような甘いキスは今までにないくらいの快感を与えてくれる。



 

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「んッ…ぅ、…あッ…」


薄く開かれた唇から隆志の舌が入ってくる感覚に背筋に寒気が走る。
祐貴も所詮人間だ…。
痛みと快楽の両方を与えてやれば自然と気持ちは相手の方に揺らいでしまう。
嫌だ、嫌だと拒否しても兄との行為に慣れてしまった身体は淫らに、無意識に隆志を煽っていることに祐貴は気づいていなかった。


「…ぅ、ん…た…かし、兄ちゃ…んッ…」

「祐貴…お前、エロすぎ…キスしかしてないのに、ここ…すっげー硬くなってる」

「…ッ…ぁいや…触らっ…ないで…変に…なっちゃうよぉ…」


一つ一つ祐貴の中に眠る淫乱さを暴きたてるように優しく下半身に触れると、身体を捩らせ一方的に与えられる快感から逃れようと必死に抵抗する祐貴だったが、その行為は逆に隆志の気持ちを高揚させる材料にすぎなかった。
弱いところを擽るように撫で上げ、敏感なところをきつく弄ると泣きながら隆志に止めてと懇願する。


「…ぃ、そこっ…触ら…ないで…ッ…出ちゃ…う」

「まだ駄目だ。俺がいいと言うまでは我慢しろ。祐貴なら出来る…よな?」

「ダメ…も…出る…ん、っ…兄…ちゃん、あん…ッ…」

「しょうがない奴だな、祐貴は…」


ふぅ、と一つため息を落とし、硬く張りつめた場所を優しく擦り上げると、歓喜にも似た悲鳴があがる。


「あっ…ぅ、ん…はぁ…ッ…いくっ…ああッ…」


荒い息遣いをしながら、淫猥な表情で隆志の顔を見つめる。
その目は涙で潤み、行為の激しさを物語っているかのように腹部には白濁した液体が飛散し、隆志の手を汚した。





  

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「もうこれで終わりなんて思ってもらっては困るぞ。本番はこれからだからな」


祐貴の太股を持ち上げ、普段は人に曝すことなどない場所が露になる。
羞恥で真っ赤になった顔を反らすと、何の躊躇いもなく指を二本、祐貴の中へと押し込んだ。


「…あ、ん…ッ、兄…ちゃ…痛い…ぁあ、そこはダメッ…」

「そんなデカイ声出していいのか?親に聞こえるぞ…それとも、聞かれたいのか…?意外と変態なんだな、祐貴は…」

「違っ…ああぁ、んッ…ん…ぅ…」


枕に顔を埋め必死に声を抑え、否定の意を述べようとしたが、それは隆志によって呆気なく阻止されてしまう。
中で蠢く指が時々、祐貴の敏感なところを掠めて、わざとらしくそこを避ける。その行為に必死で繋ぎ止めている理性が崩れ落ちるのも時間の問題だった。


「…ほんと強情だよな。こんな気持ち良さそうな顔してるのに中々俺の元に堕ちてこない。それもと、煽ってるのか?俺が嫌がる祐貴を無理矢理犯すのが好きって言うのを知ってるから…誘ってくれてたんだな…ごめん、俺バカだから全然気づかなかった」


大切なものを優しく、温かく見守るように隆志の目は穏やかだった。
時々、こういう目をする。
酷いことをするくせに、その行動とは裏腹な甘い眼差しで見つめてくる。


「もう、いいよね?俺、早く…祐貴の中に入りたい…声出すとヤバいから…自分の手で押さえてて」


「…んッ…と、待っ…て…」

「ダメ、待たない…っ」


膝を更に深く曲げられ反射的に静止を求めるが、聞き入れてはくれない。
それどころか、次の瞬間――――熱い塊が容赦なく中に入ってくる。
下腹部を圧迫し、内臓を抉り出す様な痛みにも似た深い悦楽…。
回数を重ねるうちに痛みが快感に変わってきた祐貴は無自覚に隆志を誘うような潤んだ目をする。


「んーッ…は…ああ、っ…深い…とこまで…に…ちゃんッ…」

「祐貴、声だすな…。聞こえるだろ。もっと抑えて…」

「…む、りっ…声出ちゃう…気持ち、よすぎて…おかしくなる…から…」

「…お前っ…それ逆効果だッ…」


より一層激しく揺すぶられ、突き上げられる度に喉から搾り取られるように甘く艶かしい声が出る。
抗えない快感に飲み込まれ、堕ちる…。
やがてそれは一つの意思として、祐貴の心に植え付けられようとしていた。

5ページへ「…きッ…兄ちゃ…ん…」

「なに?」

ポツン、と口から溢れた言葉に祐貴はハッとした。
―――――今、自分は何を言おうとしていたのか。
しかし、無意識に発せれた言葉は甘い吐息とともに飲み込んだ。
その消え入りそうな弱々しい声に魅せられた隆志は切れ切れに呼吸をする祐貴の震えた唇へと顔を寄せ、そのまま自分のものと重ね合わせた。


「…んッ、…ぁ、…」


鼻から抜けるような吐息を直ぐ側で感じて高揚する。
抑えきれず、熱く濡れた舌を祐貴の口内へ捩じ込むと、それに答えるように自らの舌で隆志を受け入れる様が妙に新鮮さを醸し出す。
このときが一番“自分のモノ”だと実感できる瞬間だと言わんばかりに隆志は祐貴を強く抱き締めた。


「祐貴…さっき…言いかけたこと」

「…っ…ん?」


先程言い放たれた言葉を聞き流すまいと隆志が掘り下げる。
話の内容をくみ取ったのか、祐貴が頬を紅く染め上げ思わず顔を反らそうと傾けた頭をガッチリと隆志の手が掴みそれを許さなかった。


「ねぇ、祐貴。さっき言おうとしたこと、何かな?俺、凄く聞きたいな」


普段滅多に話さない優しい口調で言い寄り、唇を軽く指先で突っついてやる。
案外、簡単に開けられた口内へ指を含ませると控え目に差し出される舌がゆっくりとそれを飲み込んでいき、一つ一つ丁寧に愛撫する祐貴の身体が自ずと熱くなっていく。
――――理由も言わず、ただ自分の快楽のために実の弟を犯している兄のことがずっと憎かったはずなのに。
愛されているのかも分からない。
自分でさえこの気持ちが何を意味するのか理解できていない。
ならば変な勘繰りはやめて、今思っている素直な感情を言葉にしてみようか、そう祐貴は思った。


「ねぇ…兄ちゃん…俺さ、兄ちゃんのこと………す…き、かも…………」


恥ずかしさのあまり語尾が段々と小さくなって言わなければよかった、と心中で叫ぶ。
目の前にいる隆志は目を丸くして、現状に吃驚していたようたが徐々に口角を上げ、祐貴の方へと顔を近づけると


「知ってる」


そう一言だけ言い放ち、唇を啄むだけの優しいキスをひとつ落とした。
そのキスはまるで『俺も好きだ』と言っているような気がした――――――




END

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